ババ・コレクション
クラシックなパティスリーとして知られるババケーキ。世界で最も愛されるデザートのひとつです。
その起源はポーランドとロシアにありました。 グルメで知られるポーランド王、Stanisław Leszczyński(スタニスワフ・レシチニスキ)。1737年に国を追われ、その人生の幕を閉じる1766年まで、彼はフランスのロレーヌで過ごしました。そのときもたらされたのが、このババケーキです。 レシピは、アルザスとロレーヌで絶大な人気を誇る伝統的なケーキ、「クグロフ」と組み合わされます。 伝説によると、当時王のお抱え菓子職人だった Nicolas Stohrer(ニコラ・ストレール)が、ドライなブリオッシュをマラガワインに浸し、サフラン、カスタード、レーズンを加えるというアイデアを思いついたといいます。 王はたちまちこの斬新な発想の虜になりました。『千夜一夜物語』の熱心な読者でもあった王は、ニコラの新しいパティスリーに(ポーランド語でも「魅力的な女性」を意味する)「アリババ」と名付けたのです。
ニコラは後に系統的なレシピを完成させ、現在もパリのモントルグイユ通りに続く彼の店のスペシャルティとなりました。 その後1884年、パリのパティシエであった Julien(ジュリアン)兄弟は、ババをサヴァランに発展させます。 ババをヒントに誕生したサヴァランは、美食家として名高い Jean Anthelme Brillat-Savarin(ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン)にちなんで命名されました。 基本的にババとレシピは同じですが、レーズンは使用しません。 大きさはひとまわり小さく、リング型で焼いたケーキの中心部をホイップクリームとフルーツで飾ります。
昨今用いられるババの生地はブリオッシュに似ており、より軽めの食感。材料には小麦粉、サワードウまたはイースト、バター、砂糖、牛乳または卵(あるいは両方)、塩を使用します。 焼き上がったケーキをラムシロップで香り付けするのが伝統的なレシピ。そのままいただいても、ホイップクリームを添えても、冷やしてもお楽しみいただけます。 完成された歴史あるそのほかのケーキと同じく、ババもマリニャン、フリブール、ゴレンフロやポンポネットケーキに姿を変えて応用されました。 外国で進化を遂げたババもあります。イタリアはナポリのスペシャルティ「ババ」(BabaではなくBabba)はその代表例。一方、ライ麦粉を使用しハンガリーワインとレーズンで仕上げるポーランドのババは、イースターのケーキとして親しまれています。
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カカオバリーでは、ババの3つの解釈を提案しています。
- ラムシロップで香り付けし、フルーツとスパイス、新鮮な赤いフルーツで仕上げるクラシックなババケーキ。
- アルコールを一切使用せず、ジャスミンティーとアプリコットピューレで香り付けし、アプリコットとジンジャーのゼリークリームを添えたババ。
- 最後に、スプーンでいただくデザートスタイルのババ。スモークウイスキー、コーヒー、パッションフルーツ、バナナ、コーヒーとヘーゼルナッツのホイップクリームで仕上げられています。